ベイマックス

結論をまず先に言うと、無茶苦茶面白かった。
「ロボットと少年の感動のストーリー」この煽り文句でどれだけの親子連れが騙されたのか。実際冬休みということで明らかに小学校低学年の子供を連れた親子の多いこと。予告編も見事にそのノリで。でもこれの原作はマーベルコミックスだ。それでピンと来ない人のために具体例を言うならスパイダーマンやアヴェンジャーズと同じである。当然奴らがそんなハートフルなだけの話を作るわけがない。マーベルの話をディズニーが監修した際の良い意味でのガバガバさは直近ではディスクウォーズ・アヴェンジャーズ*1におけるデッドプールの大暴走が記憶に新しい。
そんな訳でいつものマーベルのごとくヒーローとヴィラン(悪役)が戦うこの映画のキモは二つある。一つは親しい人の死にどう立ち向かうか。もう一つは科学は道具でありその善悪は使い方次第ということ。話を最後まで見ればヒーローとヴィラン、正義と悪となる二人が合わせ鏡のごとく同じ境遇であるのがわかるだろう。これは鉄人28号から連綿と受け継がれる日本ロボットアニメへのオマージュでもあると言えるのではないだろうか。
敵も味方も能力がわかりやすく、かつキャラも絶妙なバランスで立っているのがこの映画の面白さ。敵も非常に見栄の切り方が良く、格好良く見える。上記のようなテーマ性も含めもっと高い年齢をターゲットにするべき映画だと思う。
なお、マーベル作品のお約束、あのお方もちょろっと出るよ!
余談。
この作品はもともとBig Hero 6というマーベルに掲載されたコミックがあり、その翻案となっている。日本発のヒーローチームが原爆で死んだ人たちの亡霊と戦うというとてつもなくアレな話だったそうだ。主人公の姓ハラダは本来のBig Hero 6のオリジナルメンバーであるシルバーサムライと同じであり、その辺は色々考察の余地がありそうだ。
また、ベイマックスのパワーアップとか最後の方のあれこれを見てると先々週からやってるディスクウォーズ・アヴェンジャーズのウルトロン編と被るところが妙に多くて、彼らベイマックスの試写見てからウルトロン編作り始めたんじゃなかろうかと勘繰ってしまう。

*1:玩具連動の子供向けアニメとみせかけて重篤マーベルファンご用達アニメ。こちらもすごくおもしろい