水戸ホーリーホックは1ゴールに泣く。ジェットコースターのような1年を終えて

ホーム最終戦、遠かった1ゴール

小雨の中1万人達成とプレーオフ進出を目指した最終戦。結果は1-0で勝利したものの他会場の結果により6位山形とは同勝ち点同得失点差ながら総得点数で下回り7位でフィニッシュ。無念な結果となった。とはいえ勝ち点70という数字は水戸25年の歴史の中でもぶっちぎりに良い数字である。前回の記事にもあるが水戸はJ2に落ちてきたチームではない。歩みは遅いがここまで登ってきたチームなので後悔はしても失望する必要はないと思っている。ここまでチームを支えてきた方々へ感謝したい。
試合後のインタビューで決勝ゴール(しかも移籍後初)を決めた瀧澤の涙、それに対するDAZN解説の方の「水戸は悔し涙を流すことができるステージまで上がってきた」という言葉が印象的であった。

真のプロのチームへ変わるための2年間

沼田社長のあちこちでの発言を聞くと、この2年間は概ねこう総括できると思う。そして去年はどちらかというと裏で準備を進めてきたものが意図するしないにかかわらず今年一気に表に出ることになった。クラブハウス「アツマーレ」の完成から始まり、残業代未払い&パワハラ問題の発覚(あちこちで良くネタにされているが改めて書いておくがどちらも既に解決済みのものが外部に出たものだ。パワハラの処分に関しては水戸サポ内でも軽すぎるという批判は未だにあるが)というネガティブな話題。そこからリーグ首位への快進撃を経てついに念願のユニフォーム背中サポーターの獲得。そして最終戦2日前には驚きの専用スタジアム構想発表があった。本当にジェットコースターのような1年だったと思う。

来季へ向けて

現在既にこの2年間水戸のサッカーを作り上げてきた長谷部監督の退任報道が持ち上がっている。長谷部監督はサッカーとしての結果だけではなく集客面にも度々コメントしており、1万人でGO J1というキャッチフレーズを作り上げた張本人である。最後のホーム2戦、愛媛戦はわずかに数十人1万人に足りず、最終の岡山戦は天候にも祟られ8500台となってしまった(発券数自体は11000行っていたとのこと)。沼田社長や長谷部監督が最後の挨拶で触れていた通りこの件は今後とも宿題として継続していくべきものである。長崎あたりが良いお手本となるだろう。
そしてまた水戸には厳しいいつものストーブリーグとなるが、西村GMのもと戦術面での継続性を求めて監督人事や選手の確保などを進めて欲しいものだ。沼田社長は「仕切り直し」と仰っていたが気分はともかくサッカー自体に関しては水戸は今はコンセプトを持ってそれをベースに監督人事から進めてきている以上、この2年やってきたことを無に帰すことだけはしてほしくないものだ。そして来年はさらに上を目指すことを期待したい。