アークナイツのジョブのお話(その2)(追記・修正あり)

というわけでジョブの話の後半戦。の前に一つテクニックの話をしておきたい。どの辺が発祥なのかはわからないが、この手のブロックの概念があるタワーディフェンスでは進行中のユニットの足元にユニットを配置して特定のユニットを決め打ちでブロックし進行を妨げるテクニックがある。「差し込み」と呼ばれるもので、普通に考えるとユニットを使い捨てにすることになる行為ではあるのだが味方の撃破にペナルティがなく時間さえ経過すれば復帰できるアークナイツでは重要なテクニックになるだろう。

重装備

近接物理型。防御に特化したユニットでブロック数が多く複数の敵を同時に抱えることができるのが特徴。一方で攻撃力は皆無で抱えたユニットを自力処理できないため他の火力がサポートする必要があるだろう。最後の砦に、前衛に、そして先述の差し込み要員にと用途は多い。重要度故に人数が複数ほしい(できれば☆3~☆5で3~4人は育てておきたい)ユニット。なおコストは相応に重いのでしっかり戦局と地形を見極めて配置したいところ。

タイプA:3ブロック型

スタンダードな3ブロックできるタイプ。普通はこちらを採用することになる。スキルも防御力アップや回復など自己防衛系が多くどのユニットでもある程度迷わず投入できるだろう。

タイプB:2ブロック型

2ブロックしかできない代わりに回復能力をスキルとして持つタイプ。正直3ブロックできない時点で重装の強みを投げ捨てている気もするのだが、「前衛の位置から回復を飛ばせる」というのはほかにないユニークな能力のため特定のマップでは役に立つ…かもしれない。

医療

所謂ヒーラー。いうまでもなく必須のジョブである。スキルは回復の質を上げるものと手数を上げるものにわかれるがその辺も状況に応じて選択したい。

タイプA:単体回復型

術師などと同様に単体・複数の区別がありこちらは単体に回復を行うかわりに1回の回復量が多い。回復範囲が前方に特化している。ボス戦などではこちらの方が有用になるだろう。

タイプB:複数回復型

複数に回復を行う代わりに1回の回復量は落ちるタイプ。乱戦に強い一方でボス級の相手には回復量が追いつかないケースがある。特筆すべき点として「タイプAと比較して回復範囲が1マス分後ろにズレている」点が上げられる。何も考えずタイプAと同じ起き方をすると届かないケースが出てくるので注意。通路に挟まれた島上に配置するようなケースでは使いやすい形ではある。

補助

各種バフなどで味方をサポートするジョブで扱いとしては遠距離術型になる。火力自体は本職に劣るが広大な範囲を持つため火力支援としての使い勝手は悪くない。意外もコストはかなり低め。

タイプA:ヒットストップ型

通常攻撃がヒットした相手を一瞬足止めすることができる。チュートリアルでわざわざ紹介するくらいでこのゲームでは移動阻害系は非常に重要なファクターである。射程の長さを生かしてブロック中ではなく遠くにいる間から敵に攻撃を当てていきたい。

タイプB:召喚型

お供を召喚して攻撃やサポートなどさまざまな援護を行う。召喚自体はスキルではなく特性扱いで、召喚時にはコストを払う必要がある。昇進するごとに召喚可能な数が増える。スキルはお供を強化するものが多い。シンプルに手数が増やせるので使いやすいがコストは召喚分も含め計算する必要がある。

タイプC:デバフ型

現状ではスタートダッシュのチケットで取れるブラマニクスだけだろうか?スキルで攻撃範囲全体に強力なデバフをバラ撒くことができる。デバフ自体有用ではあるのだが基本スキル発動時以外はただ射程が長いだけの弱めの砲台なのが悩みどころ。昇進とスキルレベル上げが必須となるため極めて晩成型のユニットである。

タイプD:全体回復型

範囲内にいる味方全体を回復する。こちらも現在はソラしか該当がいない。術の力で回復しているので医療ではないということだろうか…謎。回復量はスズメの涙なのだがこちらもかなり凶悪なスキルを所持している。育成すれば最終的には強力な力になるだろう。

特殊

実質的にその他扱いのユニットだが強制移動系メインのカテゴリともなっている。使いこなすのは非常にテクニックが必要となるがその分の見返りも大きいだろう。

タイプA:吹き飛ばし型

相手を自分から見て前方に吹き飛ばすタイプ。複数ブロックかつブロック中のすべての敵に攻撃できるので前衛の2ブロック型に近い動きができるが火力は劣る。吹き飛ばしはスキル扱いなのでチャージする必要はあるが大概サブ効果として減速やスタンがついており使いやすい。またある程度進むと崖のあるマップが出てくるので崖に向かって吹き飛ばすことで敵をまとめて始末することができる(要スキルレベル4)。

タイプB:引き寄せ型

相手を自分の方に引き寄せるタイプ。引き寄せる距離自体はそこまで大きくないが火力的にもなかなかで、射程が通常の前衛より長いのも特徴。こちらも崖を挟んで向こう側にいる敵を崖に引きずり落すことが可能。テクニカルな部類だが特定のマップでは一人で1本道を任すことも可能。

タイプC:高速再配置型

撤退してから復帰までの時間が非常に短いタイプ。完全に差し込みに特化したタイプで、ボスの行動を遅滞させたいときに重宝する。スキルや特性も防御主体の構成が多い。

タイプD:ステルス型

現状おそらくマンティコアだけ。ブロックしない代わりに攻撃範囲全体(しかも結構広い)に攻撃できる。強い。しかも非戦闘時の遠距離攻撃避けに加えてブロックしないので近接戦闘もしないとわりと訳のわからない生存能力を誇る。コストが若干高いのがネックになるくらいだろうか。

アークナイツのジョブのお話(その1)

というわけで配信開始されたアークナイツをちまちまやっている。基本的には某DMMのアイギスのシステムをパ…基い参考にしたと思われる2次元マップのタワーディフェンスで特にジョブに関してはアイギスをやっていた勢はイメージしやすいものとなっている。で、そういう人ならわかると思うがこのゲームのキモは基本的に理想的な配置を行うためのコストやりくりをどうするかという部分である。某企業系攻略サイトとかはあまりにそこらへんの観点が抜けているのでその辺も含めて各ジョブを解説したいと思う。
なお、このゲームはアイギスでは複数のジョブに分かれていたものがちょくちょく一つに統合されているため非常に紛らわしいことがある。術師を例に挙げると単体型と複数型が同じジョブをして扱われているがコストが全く違うため間違えないようにしたい。この辺も企業系攻略サイトだとまだあまりきちんと説明されていないことが多い。ちゃんと編成時に特性は確認しよう。
とりあえず今回は先鋒・前衛・狙撃・術師を。

先鋒

近接物理型。多分一番重要かつしっかり性能を見極める必要があるジョブ。コスト回復能力を持ち明確に「初手に置く」のがコンセプトのユニット。しかし最初に所持しているコストには限りがあるためそもそもこの時点で昇格済みの高レア先鋒は置けないという事態も起こる。故に必ず低レアも何枚かは育てておくことを推奨される。幸いにチュートリアルで手に入る★3フェンが非常に扱いやすく、昇格時のコストアップも特性で一部踏み倒すことができるので優先的に育てていくと良いだろう。

タイプA:2ブロック型

こちらが先鋒としてはベースになる。★3フェンもこちら。2体ブロックでき、初期特技は時間経過で自動的にコスト回復を行う。とりあえず初手に2枚ほど出して後続を出すためのコストをためていく形になるだろう。意外と防御性能も高かったりするが過信は禁物。とりあえず★2~★4は1枚ずつそろえておいてマップごとに使い分けたい。重ねて言うがレア度が上がると初期コストも上がるゲームなので★5↑はそもそもジョブのコンセプトと一致しないケースが多い。リセマラ等での採用は良く考えること。

タイプB:1ブロック型

ブロックが1枚しかできないが敵撃破時にコストを確保できる。また、撤退時にコスト返却がある。タイプAに比べて攻撃力がかなり高い。こちらは二手目として敵が集団で来たところに配置して適宜撤退させる形になるだろう。こちらの方が高レアの恩恵が受けやすいのだが現状このタイプの高レアがない気がする…。

前衛

近接物理型。火力特化だが意外とタイプごとに火力の方向性に差があるので注意すること。攻撃力は非常に高いが先鋒と比べても目に見えて打たれ弱い。攻撃の方向を考えブロックしているところに横から攻撃をねじ込むなどの工夫も必要。火力職であるのである程度コスト度外視で高レアを優先的に育てるのが良いだろう。他で代替が効きやすく現状リセマラとかでは優先度が低いジョブ。

タイプA:1ブロック型

非常にシンプルな1ブロック単体攻撃型。その代わり全体的に性能が高い。

タイプB:2ブロック型

2ブロックが可能で、かつブロック中の的全てに攻撃が可能。雑魚がワラワラ押し寄せてくるマップではかなり有用だろう。前述の通り打たれ弱さがあるため医療でしっかりサポートしないと強敵相手は速攻で溶けるので注意。

タイプC:遠近両用型

こちらも2ブロックが可能だが単体攻撃。代わりに射程が長く火力は落ちるが遠距離攻撃ができるというもの。アーツで複数攻撃できるものもおり、こちらも多数相手ならかなりの火力が見込める。ただ素火力自体は低めに設定されているので器用貧乏のきらいも。

狙撃

遠距離物理型。狙撃ってなんだよってくらいのレベルで武器が多様でとりあえず重火器で撃つやつは全部突っ込んだ感がある。対空の要となるジョブで重要度は高い。

タイプA:対空型

飛行する敵を優先的に攻撃する。飛行敵が出てくるマップでは実質必須となるユニット。攻撃自体は手数で押すタイプで、素の攻撃力は低いが手数を増やすアーツが多い。性質上一部のマップではほぼ初手に近いところで出す必要があり、ある程度コストに意識をして育成をする必要がある。高レアはもちろんだが★2or★3は1枚は育てておいて良いだろう。

タイプB:範囲型

爆発で範囲にダメージを与えるタイプ。加えて遅めの攻撃間隔に高コストとタイプAとはあらゆる意味で真逆。必要なマップはどこかであるため1体は育てておいて良いと思うのだが現状上位敵は物理より術の方が効く敵が多く、範囲型術師で大体事足りるのが悩みの種。

タイプC:ダメージ特化型

素の火力が非常に高く、防御力が一番低い的を狙い撃ちするタイプ。現状物理系では間違いなくトップの素火力を持っており敵の間引きに強い。攻撃範囲も地味に広かったりする。ただこちらも相当使われる場面は限られる気がする…。

術師

遠距離術型。物理が効かない相手に対してもダメージを与えることができる。こちらも性質上マップによっては必須となることが多い。初期加入の★5アーミヤを始めとして何枚か育てておきたい。

タイプA:単体型

スタンダードな範囲内の1体に攻撃するタイプ。狙撃のタイプAに近くどちらかというと手数優先型。このタイプを複数設置する場面がそこまでないのでとりあえず★5アーミヤだけいれば序盤はなんとかなる感はある。

タイプB:範囲型

こちらも狙撃タイプBと同様の爆発で範囲にダメージを与えるタイプ。素の攻撃速度は遅いがブロックの後ろからバンバン敵集団を削れるためとても使いやすい。反面コストはぶっちぎりに重い。また攻撃範囲が初期では狭いため早めに昇格した方が良いだろう。★3が比較的容易に手に入るのでとりあえず育てておいて高レアが手に入るようならアップデートしていきたい。

タイプC:レーザー型

攻撃が前方に貫通するタイプ。素火力の高さもあいまってマップを選べば恐ろしい火力を発揮するが逆に設置場所がなかなか悩ましい。また唯一のこのタイプが★6かつかなりピーキーなアーツの持ち主なのも問題。

アイドルマスターシンデレラガールズ 7thLIVEについてのお話

名古屋公演が終わり

感想を書こうと思っていたら気が付いたら年が明けていた。まあなかなか言いたいことが整理できていなかったりあんまり口に出すのもという部分もあったのだがそろそろ大阪も近いので覚書程度に書いておきたい。あくまで個人の感想です。

99%の満足と1%の不満と

前提として書いておくと自分はゲームは音楽は独立して評価する人間だ。むしろ音楽は優先的に評価する。したがってゲーム本体は買わないけどサントラだけ買うとか良くやる。そういう意味では一般のPとは軸がズレている。依田芳乃Pとして無論よしのんを応援する部分はあるがそれとは別に過去の経緯的にデレマスで一番好きな作曲家はESTiさんだしAJURIKAさんとイノタクさんも大好きだ。
で、この観点から見た名古屋公演の満足度が上記である。名古屋公演は周知の通りダンス特化コンセプトというデレマスでは今までになかった公演で、前提条件を踏まえれば音楽的には本当限りなく満点に近かった。一方で脳内のよしのんPとしての部分が1%の不満を覚えているのだが、これは単純な理由で「ソロ曲ゼロ含めた担当の出番への不満」ということだ。

自分の感じた1%は他人にとってはどうなのか

これを考えさせられたのがライブ後の一部のPたちの感想で、自分にとっては1%であってもそれが99%に振れることもあるのだということを痛感させられた。具体的なアイドル名は伏せるが、一部アイドルはコンセプト不一致な部分も含めて厳しかったのだと思う。またいわゆる「周年ライブ」(これに関しては中の人はともかく運営はそうは明確には言っていないことは認識するべきだが)を積み重ねた歴史があるアイドルのPほど「出演者の出番は均等にあるべき」という考えがあるようにも思う。

7thは何が問題だったのか

とはいえ今回がコンセプトライブであることは最初から宣言されており、理解を得るためにJUNGO氏を中心とした運営側の定例会見(というかニコ生)も行われていたわけで、そこで納得してもらうことができなかったのは運営の失策の一つであると思う。
それ以外の問題点は大きく二つ。
1. 特に名古屋と大阪でコンセプトと人選が乖離していること
幕張についてはコンセプトがわりとガバなのでどうにかなっていたが名古屋と大阪はこの傾向が強い。おそらくコンセプト決定前に人選と場所確定を急いだことが原因だと思うが、だれもが大阪にいるべきと思う安野さんが名古屋にしかいない(ただし使い方が100点満点で500点だったので不満はあまり出ていない)とか本来であれば幕張に入れたかった人達が名古屋にいるとか。
2.幕張が思った以上にいつものライブだったこと
これが意外と大きい気がする。というか前述の幕張のコンセプトがガバなのが問題で、結果的にいつも通りのノリで全員に均等に出番をあたえられてしまったことで名古屋での不均衡が許容されなくなってしまったのは大きい。まあ不満がどこで出るかだけの違いな気もするが…。

大阪で改善できるのか

できないでしょう。というかしないでしょう。個人的にここで日和って欲しくもないし。まあ生バンドだしもうどうしようもないよね!というわけで自分の担当だけ見たい人の一部はnot for meなのは多分覚悟しておいた方が良いのではないかと。

デレマスのライブ自体が変質しつつある

そもそもこんな状況になったのはまあ元々JUNGO氏の傾向として何かを仕掛けた上で盛大にぶち上げたいというのもあるのだが、それ以前にアイマス、そしてデレマス自体が長く大きなコンテンツになったということが大きい。そもそもライブが7thまで行くとは誰も思っていなかったと思うし、そんな中で5thあたりから明らかに運営側も目先を変えようと苦労してきている。この辺は某所で言われた「デレマスライブも厳選して50曲という時代になった」という言葉が象徴していると思う。同時に演者も厳選して30人という形にどうしてもなってしまう。この辺はデレマスP的には理解して受け入れていかなければいけないだろう。
一方で運営側も「奇をてらってほしくない」Pが存在することは認識するべきだ。これはカードイラストや3D衣装でもたまに上がる声なので一定数以上がいるのは間違いないと思う。マンネリの打破とこういった声との兼ね合いは間違いなく今後のデレマスの課題である。デレマスに関しては本質的に中の人ライブはエクストラなコンテンツであるはずなので一部Pにはそこらへん勘違いして変な絶望はしないで欲しいよなあと思う次第。まあでもJUNGO氏ライブに本体コンテンツの伏線入れるの好きそうなんだよね…。個人的には「夢をのぞいたら」の歌詞にある「みんないなくちゃダメなのよ」の精神は失わないようにしながら通常の演者全員参加バランス型ライブとこういう特化型ライブを交互にやってくれることを期待している。

水戸ホーリーホック2019年の選手短評(MF、FW編)

歴代最高得点も…「誰が出ても水戸」の表裏

今年の水戸は全てにおいて歴代最高またはそれに準じる数字をたたき出したが、得点についてもそれは例外ではない。水戸のコンセプトの一つである「誰が出ても水戸」を合言葉に多少メンバーが変わってもどこからでも点が取れる攻撃陣を十分体現できていたのではないだろうか。反面現在の水戸の選手層ではスタメン=ベストメンバーとなり、交代しても戦力が落ちることはないが上がることもない、端的に言えば「切り札」がない状態であった。点が取れない時は誰が出ても取れないというのは実際いくつかの試合で監督の采配の迷いという形で出ていたと思う。シーズン20得点取れるエースがいるチームが必ずしも上に行けるわけではないが、やはりプレーオフや自動昇格圏を目指すのであればシーズン通して15点前後取れるストライカーは現状の戦力にさらにプラスとして欲しいところだ。
なおこれを書いている時点で長谷部監督は既に退任しており新監督は決定していない。

MF 前 寛之(8)

今年は札幌から水戸へ決意の完全移籍。ボランチとして一年を通してチームに貢献した。パスの配給やビルドアップの楔としての攻撃的な面に加えリーグでもトップクラスのインターセプト能力を発揮。加えてチームが本当に苦しい時に炸裂するミドルなどまさにチームの心臓というべき存在だった。一方で対人守備では若干の不安があり、致命的な場面を防ぐ代償としてもらったイエローカードはリーグ5位タイの8枚。結果として欠場した3試合がどれも「前がいれば…」という内容だったので来年はイエローをもらわない努力もしてほしいところだ。余談だが山口にいる兄も仲良く8枚もらっていたりするので多分この兄弟はそういうスタイルなんだと思う。

MF 白井 永地(18)

序盤は平野に譲る機会も多かったが茂木不在の右サイドを経て最終的に前の相棒としてボランチに定着した。前よりも攻撃的な配給ができ、ファーストディフェンスにも強くチームを救った。強烈なミドルシュートも武器だが欲を言えばもう少し枠内に飛ぶ率が上がれば…というところ。

MF 平野 佑一(6)

大卒2年目組の一人。非常に攻撃的なボランチで、ロングフィードプレースキックと長くて正確なキックが持ち味。ただ徐々に守備はサボりがちなのが目についてしまい監督的にも使いづらい印象がついてしまった感はある。結果的にリスクを負って攻めたいときのカードという扱いに収まったがこのままだと色々厳しいのでどのポジションを今後やるにしても守備は練習して欲しいと思う。

MF 平塚 悠知(25)

大卒新人トリオその1。ただ他の二人に比べるとボランチは層が厚くそこまで出番は得られなかった。クローザーとして起用される機会が多く守備に奔走していたが攻撃面の評価はまだこれからだろうか。来年に期待したい。

MF 木村 祐志(10)

水戸で再起を期するベテランだが今年はいくつか怪我もあったものの年間を通して左SHとしてチームに貢献した。前からの守備の連動という部分で要になることに加え、攻撃面では抜群に他の選手との距離関係が良かった印象。おそらく経験の豊富さによるものと思うがオフザボールの動きが抜群に良い選手でフィールドを俯瞰して見られるタイプの選手である。反面肝心のキックの精度が年間通して上がりきらずもったいないなあと思うことが多々あった。プレースキックがもう少し抑えられればなあ。

MF 茂木 駿佑(27)

こちらもレンタル移籍から今年完全移籍。決意のシーズンとなったがシーズン中盤にチーム唯一といって良い数か月単位の大怪我。戻ってきてみると福満がそこに座っており厳しいシーズンとなった。とはいえ彼の連続ゴールやアシストは間違いなく前半の快進撃の立役者であった。ポジションに加えて彼自身の脅威が知れ渡っているためかどうにも深く削られる回数が多かったのが厳しかったと思う。そこを回避できるようになればさらに上に行けそうな選手。

MF 福満 隆貴(17)

負傷した茂木の穴を埋めるためにC大阪からレンタル移籍。すべてのカテゴリを見てきた経験豊富な選手で、茂木に比べるとシャドー的な動きもできるということで時には逆サイドまで走る機動力と高い足元の技術で後半チームの攻撃を引っ張った。来年はさすがに回収されそうな気はしているが戻った先でもまだまだこれから活躍してくれそうな選手だと思う。

MF 浅野 雄也(45)

大卒ルーキーその2。…と思っていたらなんとシーズン途中に広島からレンタル移籍してきた有望若手にランクアップ。完全移籍で引っこ抜いた後こちらにレンタルで戻してくれる広島には感謝しかない。左SHとして木村の運動量が落ちた後に出てくる役割だったが彼の突破力を考えれば適任と言えるだろう。監督は当初サイド奥深くからのクロスを期待していたようだが実際は斜め45度からドリブルで突っ込んでいくタイプだった。結果的に先発で出すには志知との関係性はあまりよろしくなかった印象がある。来年は広島でやるのだろうか、それともまたどこかにレンタルされるのだろうか?

MF 外山 凌(23)

MF登録ではあるが何故か今年の出番は全てSB。とはいえ後半戦苦しいところで疲労の色が強かった岸田や志知の代役として攻守に良い仕事をしてくれたと思う。ドリブルでの切り込みとそこからのクロスには定評がある選手なので来年は左SHで木村と出番を争って欲しいところだ。

MF 森 勇人(20)

主に右サイドを主戦場とするMFだが今年はなかなか層が厚くて入り込めなかった。数少ない出番では積極的にシュートを放って行ったが大体宇宙開発していた印象が強い。ごりごり自分で行くタイプではあるようなのでフォーメーション次第では生きそうだが来年どうなるだろうか。

MF レレウ(30)

湘南から夏のウインドークローズ間際にレンタル獲得したブラジル人。獲得した当初は去年のジエゴ枠と思われており、すわ志知引き抜きかとサポ一同色めき立ったものだがどうもそうではなく広島の浅野獲得合意であわてて取った気配が。結局その後浅野は広島がレンタル扱いで水戸に戻してくれたためレレウは木村が出場できない試合でかろうじてベンチ入り、出場時間も20分にとどまったのは若干申し訳なさがある。ただ短い時間でも積極的にゴールに迫る姿は見せていたのでどこかで長い時間見てみたかった。

MF 黒川 淳史(32)

一応登録はMFなのだが今年はほぼ年間を通じてFWに。目標として掲げていた年間2桁得点は果たせなかったものの7ゴール4アシストを上げ、それ以上に数字に表れない前からの守備という部分でチーム躍進の原動力となった。夏場以降少しコンディションを落とす場面もあったもののドリブル突破や清水のコンビネーションは素晴らしかったと思う。後最近意識高めな水戸フロントの施策に妙にハマっていたイメージがある。彼と清水は大宮からのレンタルだが来年はどの道を歩むのだろうか。

FW 清水 慎太郎(14)

黒川とともに大宮ツートップとして活躍。一時期苦しんだこともあったが最終的に復調しチームトップの、そして彼自身キャリアハイの8ゴールを上げてチームに貢献した。フィジカル面においての強さとうまさを兼ね備えており良い選手だった。できれば来年残って2桁得点を目指して欲しいところだがどうなるか。

FW 村田 航一(11)

大卒ルーキーその3。一年目でいきなり11番を背負った時点でチームの期待が伺える。限られた出場機会の中ではあるものの今年のうちに初ゴールを決められたのは本人にとっても大きいだろう。黒川に近い攻守において走力を発揮できる選手で、体を張った守備やポストプレイもできる選手である(小兵なイメージがあるが清水よりデカかったりする)。課題はGKと1対1のような場面でどれだけ落ち着きを出せるかだろうか。ぜひとも水戸でエースとして大成して欲しい。

FW ジョー(9)

今年はCF的な位置づけで期待されていたのだが…。練習試合ではそこそこ無双していたという話も聞くのだが試合ではオフェンスファールを繰り返しボールが清水より収まらず。浪漫枠に近い扱いで長谷部監督もギリギリまでベンチに入れていたのだがさすがに小川が入るとお役御免という形になってしまった。どうも彼も外国人選手の取り扱いあるあるなところの「デカいけど別にポストプレイとか得意じゃないしむしろ裏抜けしたところに足元でもらいたい」選手な気がするのだがコミュニケーションも時間も足りなかった気配があり、双方不幸な一年だった。

FW 小川 航基(19)

磐田からやってきたスタァスター。年代別とはい水戸では珍しい現役日本代表であり本当良く獲得できたなと思う。その得点能力はやはり素晴らしく後半の17試合で7得点。もっと長くプレーを見たかった選手だった。ただ、チームとしての彼の活かし方が100点だったとはいいがたく、彼自体はどちらかというとサイドからマイナス気味のクロスで欲しいところをひたすら縦ポンした結果点が入らなかった試合もあったのはチームの戦術デザインを反省するべきところだろう(ある意味ジョーに対するのと同じ過ちとも言える)。加えて今年は五輪前ということでやたら招集が多く、招集されると微妙に調子を落として戻ってくるためサポ的にはストレスがたまる展開であった。無論彼のキャリアパスを考えればそこは絶対に回避してはいけないところなのだが…。五輪が終わった後にじっくり一年通して使ってみたいよなあ。

番外 佐藤 祥

水戸ではないのだが何故か各種媒体のインタビューで毎回名前が出てくる好青年。どれだけ皆に慕われているのか…。今年群馬に移籍してボランチとして開眼。今年は自分の目の前でゴールを決めてくれたのが本当にうれしかった。これを書いている時点で群馬はJ3の2位。彼が再びJ2に戻ってくるのを心待ちにしている。という私情。

水戸ホーリーホック2019年の選手短評(GK、DF編)

リーグ2位の堅守は十分に誇れる成績

そんなわけでシーズンも終わったので今年の選手評とかを書いてみたいと思う。今回は守備編だが、チーム全体としてみれば柏に次ぎリーグ2位の37失点という堅守。実は今年はリーグを見渡しても1試合あたりの平均失点が0.台のチームが6チームあり、それらがいずれも7位以内にいる。非常にわかりやすくかつ珍しい守備が整ったチームが上位進出する一年だった。その中でこの成績は誇っても良いのではないだろうか。
個々に関しては後で書いていくが、今年の水戸は本当にセンターラインの守備が安定していた。一方でサイドバックは攻撃偏重のツケでカウンターから容易にクロスを上げられる場面が多かったと思う。特にアーリークロスからの飛び込みに弱いのはもはや水戸の伝統芸と化している部分もあるのだがその辺は来年以降改善できればさらに上に行ける気がする。長谷部監督はサイドバックに関しては最低限の守備能力があれば後は攻撃力を優先する傾向があったがその辺もどうなるか。
あ、ちなみに試合出場がなくて全く情報が得られなかった選手は申し訳ないけど割愛しています…。

GK 松井 謙弥(50)

水戸の守護神として多くの試合を支えた。セービング、飛び出し、クロスへの対応などバランスが良く、特にキックはJ1でも通用する精度を誇る。ハイバランスで自分好みな選手だが今年は最終的にチーム全体の守備としてクロス対応がウィークポイントとなり、対応の重要度が高くなったためその部分で上回る村上に取って代わられる場面もあった。セービングは概ね良かったのだがパンチとキャッチの選択に迷ってファンブルする場面がちょくちょくあったのも今年は不安要素だった。後最終節ATの判断ミスは精神的ダメージが大きそうで少し心配している。

GK 村上 昌謙(21)

終盤、生き残りをかけた首位柏戦に抜擢された新守護神。それまでのうっ憤を晴らすかのように大活躍して上位進出に貢献。キックは不安があるものの飛び出しの判断、ハイボール処理が抜群に良く、前述の通りチームの穴を埋めた。お笑い要員の一人でもありムードメーカーとしての貢献度も高い。試合に出られなくてもベンチで味方を鼓舞する姿は非常に熱かった。山口からのレンタルで買い取りしてほしい気持ちもあるけど来年石井も戻ってくるんだよなあ。

GK 本間 幸司(1)

ミスターホーリーホックも今年はさすがにほぼベンチ入りすら無し。正直もうJ2でやるにも厳しい感じではあるのだがやはり長老として、水戸の昔を知る語り部としてこの人の存在は必要だと思う。ぶっちゃけこの人がベンチ入りする状況自体スクランブルだと思うので若手は頑張って彼をベンチ入りさせないようにして欲しい。

GK 長谷川 凌(31)

期待の大型若手GKにして大洗に入り浸るガルパンお兄さん。今年は沼津に短期留学してラブライブお兄さんになった。ただ肝心の試合出場機会はなし。来年も村上か石井がいて3番手以下になるようならどこかで武者修行した方がよいかもしれない。どうも水戸は自前のGKが育たない傾向があるのが厳しい。意外と本間の壁が厚い。

DF 細川 淳矢(24)

気が付けば本間に次ぐ古株になっていた細川キャプテン。年齢がそろそろネックになるかと思われたが、元々去年の長谷部体制開始時最も早くフィットしたと言われるだけのことはありほぼ盤石のCBファーストチョイスだった。守備の安定度はもちろんセットプレーからの攻撃時にも怖さを見せていたと思う。

DF 伊藤 槙人(5)

細川と並んで長谷部体制で覚醒したCB。細川が怪我で2回ほど離脱した前半戦を安定して戦えたのは彼の力が如何に大きかったかを示している。結果的に横浜FMに引っこ抜かれて夏の市場での唯一の離脱者となった。彼のお買い上げ金額はかなり高かったようで、小川や福満、宮といったJ1の選手のレンタルに加えてチーム経営を安定させたほどだったという話もあるため一概に悪くは言えないのだが、何分彼がいなくなった後の守備構築の苦労を見ているとやっぱり離脱は痛かったと言わざるを得ない。間違いなく長谷部チルドレン随一の成長株であった。

DF ンドカ ボニフェイス(4)

細川が負傷で出遅れたためCBとして先発の座を手に入れてスタートした大卒二年目のシーズンは毀誉褒貶の激しい年となってしまった。ハイボール縦ポン対策としては間違いなくリーグでも上位の強さを誇るのだがスピードでの裏抜けには弱さを露呈。経験値からくる先読みみたいなものがどうしても不足している面もあり、短期間に赤紙2枚をもらって厳しい立場に。最終的には負傷で早めのシーズン終了となってしまった。来年は心機一転して頑張って欲しいのだがまずはJ3で一年間出られるところへレンタルで行って修行してくるのも手かもしれない。GKとCBは経験値稼ぎが大事。

DF 瀧澤 修平(22)

ボニがアウトとなった後CBで出番をつかみ、なんだかんだで出場機会が増えた。突出したものはないが安定性の高さはピカイチでもっと早く使われても良かった気がする選手。逆にそれ以外特筆すべき部分もあまりないがそういう選手の方が安心して見られる感はある。攻撃時のプレースキックで全く名前が出てこないのが課題と思っていたら最終節でFKから嬉しい初ゴール。試合後のインタビューの号泣はサポーターの心に響いた。来年は先発定着してこの悔しさを晴らして欲しい。

DF 宮 大樹(38)

槙人の後釜として神戸からレンタル移籍で獲得してきたCB。あちらこちらから「やらかし癖あり」という注意書き付きで送られてきたため色々心配だったがなんだかんだJ2では普通にきっちりやれるレベルではあった。ただ現状これでJ1に帰っても出番ないだろうなあという部分もある。彼もやっぱりまずは経験値稼ぎからだろうか。足元の使い方とかを見ているとそもそも4バックの2CBが向いていなくて実は3バックの左かリベロ向きなんじゃないかと思うのでどこかのチームで試してみて欲しい気はしている。

DF 宮本 拓弥(15)

シーズン前にあまり名前聞かないなあと思っていたらまさかのFWからCBへ転向でサポ一同をびっくりさせた。リーグ戦こそ出番がなかったが天皇杯には出場し怪我やカードトラブルで穴が開きがちな部分は最低限埋めてくれたと言って良いだろう。来季は宮本ロマン砲をまたリーグ戦で見たいものだ。

DF 岸田 翔平(13)

右SBのファーストチョイスとして活躍した。攻撃力はそこそこあるが去年の田向や左の志知と比べると…という感じに加えて前述のクロス簡単に上げられすぎ問題もあり外山や浜崎に取って代わられることが多かったのが惜しまれる。守備に関しては特にセットプレーでの対応に関しては安定して体を張れていた印象がある。だから猶更サイドを上がってくる相手に寄せきれない部分がもったいなく思えてしまうのだが。

DF 志知 孝明(7)

左SBとして躍動。今年の出世頭と言って良いだろう。終盤3試合こそ勤続疲労か休みとなってしまったが全体で見ても特に長い稼働時間でチームを支えた。守備に関しては最低限のノルマではあったがこなせていたし致命的なクロスを上げさせなかったりギリギリのブロックも何度も見られた。そして攻撃面では文字通りチームを引っ張る5ゴール5アシスト。クロスボールはもちろんだがFKのキッカーとしても結果を出したのは見事としかいう他ない。今年のチームMVP候補。課題を上げるとすれば左SHが木村以外の選手の時やボランチとのラインが切られた時の連携の選択肢を増やすことだろうか。でもそもそも来年うちにいるんだろうか…。

DF 浜崎 拓磨(3)

期待されながらも「守備があまりよくない」という理由でなかなか使われなかったが終盤天王山となる柏戦で起用されると直接FKをスーパーゴラッソ。その後は完全に攻撃力を期待されて右サイドで起用されることになった。攻撃力に関しては志知同様高いものを持ち、特にプレースキックでは茂木と並んでチーム随一の精度を誇る。正直なんでDF登録なのか理解に苦しむのだが前は茂木も福満も(後最悪黒川も)いるので致し方ないか。来年は守備力の向上を目指さないと監督人事次第では使われなくなる可能性もありそうなので頑張って欲しいところ。

水戸ホーリーホックは1ゴールに泣く。ジェットコースターのような1年を終えて

ホーム最終戦、遠かった1ゴール

小雨の中1万人達成とプレーオフ進出を目指した最終戦。結果は1-0で勝利したものの他会場の結果により6位山形とは同勝ち点同得失点差ながら総得点数で下回り7位でフィニッシュ。無念な結果となった。とはいえ勝ち点70という数字は水戸25年の歴史の中でもぶっちぎりに良い数字である。前回の記事にもあるが水戸はJ2に落ちてきたチームではない。歩みは遅いがここまで登ってきたチームなので後悔はしても失望する必要はないと思っている。ここまでチームを支えてきた方々へ感謝したい。
試合後のインタビューで決勝ゴール(しかも移籍後初)を決めた瀧澤の涙、それに対するDAZN解説の方の「水戸は悔し涙を流すことができるステージまで上がってきた」という言葉が印象的であった。

真のプロのチームへ変わるための2年間

沼田社長のあちこちでの発言を聞くと、この2年間は概ねこう総括できると思う。そして去年はどちらかというと裏で準備を進めてきたものが意図するしないにかかわらず今年一気に表に出ることになった。クラブハウス「アツマーレ」の完成から始まり、残業代未払い&パワハラ問題の発覚(あちこちで良くネタにされているが改めて書いておくがどちらも既に解決済みのものが外部に出たものだ。パワハラの処分に関しては水戸サポ内でも軽すぎるという批判は未だにあるが)というネガティブな話題。そこからリーグ首位への快進撃を経てついに念願のユニフォーム背中サポーターの獲得。そして最終戦2日前には驚きの専用スタジアム構想発表があった。本当にジェットコースターのような1年だったと思う。

来季へ向けて

現在既にこの2年間水戸のサッカーを作り上げてきた長谷部監督の退任報道が持ち上がっている。長谷部監督はサッカーとしての結果だけではなく集客面にも度々コメントしており、1万人でGO J1というキャッチフレーズを作り上げた張本人である。最後のホーム2戦、愛媛戦はわずかに数十人1万人に足りず、最終の岡山戦は天候にも祟られ8500台となってしまった(発券数自体は11000行っていたとのこと)。沼田社長や長谷部監督が最後の挨拶で触れていた通りこの件は今後とも宿題として継続していくべきものである。長崎あたりが良いお手本となるだろう。
そしてまた水戸には厳しいいつものストーブリーグとなるが、西村GMのもと戦術面での継続性を求めて監督人事や選手の確保などを進めて欲しいものだ。沼田社長は「仕切り直し」と仰っていたが気分はともかくサッカー自体に関しては水戸は今はコンセプトを持ってそれをベースに監督人事から進めてきている以上、この2年やってきたことを無に帰すことだけはしてほしくないものだ。そして来年はさらに上を目指すことを期待したい。