宇宙の果てのレストラン・宇宙クリケット大戦争
- 作者: ダグラス・アダムス,安原和見
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/09/03
- メディア: 文庫
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- 作者: ダグラス・アダムス,安原和見
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/04/05
- メディア: 文庫
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前作「銀河ヒッチハイク・ガイド」で破壊された地球の正体を知ったアーサー・デントと仲間たちが政府や精神医に追われながら全宇宙の最高権力者を突き止めたり宇宙の危機を救ったりレストランで食事をする話。
今回も風刺やブラックなジョークの中に色々なトンデモ理論がちりばめられますが、この2作では特に「時間旅行」にスポットが当てられています。昔からこの手のネタでは「干渉された時間は別の流れを形成する」パラレル的な観点と「如何に干渉しようと時間の流れは周り回って同じところに落ち着く」一元的な観点がありますが、この作品は後者のようです。余談ですが日本で一番有名な歴史干渉物と言えばやはりドラえもんでしょうが、ドラえもんの作品内では常に後者の観点で語られているため、恐らくドラえもんとのび太が如何に頑張ろうとセワシの暮し向きが一向に良くならないであろうことは界隈でも良く論議の的となっています*1。
また、「宇宙クリケット大戦争」ではレストラン数論や他人事フィールドといったトンデモ理論が出てきますが、実現性は置いておいても思わずニヤリとしてしまうものばかり。
作品としてはラジオドラマシリーズをまとめたものなので全体に話が飛びがちでわかり辛い部分もありますがユーモラスかつ深遠な良作です。
*1:という本気とも冗談もつかない説明が脈絡なく入ってくるのもこの作品の特徴