タコヤキはNASAに勝てるのか

元競泳選手として今更ながらレーザー・レーサー問題について書いてみる。
http://sports.yahoo.co.jp/news/20080703-00000039-sph-spo.html
本来ならここで日本企業頑張れと言うべきなんでしょうが…正直なところこの社長はそろそろ空気読めと。素材だけで勝てるなら他の日本企業でも勝てますって。そのブルーセブンティ社がLZRのキモを理解してそれをパクっていない限り恐らく結果はやるまでもないでしょう。
水泳界にはもともと「つるぺたの方が抵抗が無いから早い」という妄言都市伝説が存在します。週プレで松ちゃんがLZRの件に触れて「やっぱトップの人は抵抗無くすために剃ってるんだよねー」とか書いてますが一昔前は実際その通りでした。しかしそれでも人の肌より水着の方の抵抗が明らかに小さくなるにつれて水着の面積が増えて現在のようなスパッツ型や足首近くまで覆う形がメジャーになったわけです。その後は素材の勝負の時代が続いていますが、現在どの会社も打ち止めの気配が見えてきた中、新しい発想を持ち出したのがスピード社のLZRでした。LZRの画期的な点は既に周知の通り素材レベルというミクロな視点ではなく「強制的に洗濯板にしちゃえば抵抗無くなるんじゃね?」というマクロな視点を元にNASAの最新技術(笑)*1で作られていることです。逆に素材に関してはLZRは実は新しい素材ではないんですよね。
ただ、もちろんこの考え方自体決して健全なものではないと思います。非常に締め付けがきつく着用でも一人ではままならない、そして数回で破損する数万円の水着。一発勝負以外で使えるような代物ではないです。将来的に容易に入手できるようになっても通常の練習に使用するのは特に成長期の選手にとっては成長の阻害となる恐れもあります。今後このような水着の開発が加速する前に何らかの方法で規制は掛けて欲しいところですね。ゴルフと違って道具が大きな要素の一つというスポーツではなかったはずなんですが…。
なんにしろ今後日本企業がどのような対抗策をとって行くのかは注目したいと思います。

余談。速さの検証ってどうやるんでしょうね。コンディションの問題もありますし計測の方法次第でいくらでもデータ操作のやり様はありますからね。水連預かりにして公認トライアルした方がまだマシなのでは…。

*1:アチコチでネタにされてますけどこの言葉の神通力はなんだかんだで健在ですね