ロジャー・ゼラズニイ「光の王」

光の王 (ハヤカワ文庫SF)

光の王 (ハヤカワ文庫SF)

はるか未来、地球を離れ新たな星に移住した人類はインド的宗教カーストの社会を作っていた。地球から移ってきた張本人である「第一世代」は神として技術を独占して人類を支配していた。しかし「第一世代」の一人の男がそれに抗うべくブッダと名乗りかつての宗教を復興させ立ち上がる・・・というストーリー。SF的な背景を持ちながらも概ねファンタジックな世界観が展開する中での謀略劇は非常に面白い。一方で「相」と「属性」の概念はある意味スタンドバトル的な位置付けでそういう意味では少年ジャンプ的な要素も持っていると言える。詩的な言い回しなどもあるが非常に読みやすかった。