WWE「Tables, Ladders, and Chairs」

やっぱりリリアン・ガルシアのコールは最高だな!
というわけで今年最後のWWEのPPV。今回は試合数がとにかく多かった。TLCは現在のWWEではExtreme Rulesとならんでハードコアに近いルールなので、できるだけ一試合辺りを短くしようという意図が感じられた。その辺はやはり今の「ファミリー路線の」WWEでは避けられないことなのかもしれない。
もう一点特筆すべきはWWEの絶対的エースであるジョン・シナが今PPVでは完全休養で名前すら出てこなかったこと。その後のTVの展開等を見てもWWEなりにシナの扱いを再考しているようだ。

ジグラーが引っ張って良い試合になった。ネット上での人気ばかりが取り沙汰されるライダーだが引き出しはそれなりにあるので今後伸びてくれると嬉しい。ヴィッキーがジグラーを救って退場となった後ラフライダーを決めてライダー、念願の初戴冠。決まった瞬間のライダー父の喜びっぷりがすごい。この父ちゃんもライダーの番組によく出てくるけど面白い人だなあ。ジグラーは最後のラフライダーを食らった時のバンプが秀逸だった。彼は間違いなく今一番吹っ飛び芸の上手いスーパースターだと思う。

エヴァンはウェルネスポリシー違反による謹慎明け一発目。久々の実戦のわりにコフィのコンビプレーが増えてたので一安心。このコンビは本当に良い組み合わせだ。一方のプリモとエピコも従兄弟コンビ。見た目ほとんど変わらないのでどっちがどっちかわかりづらい。カリートも含めたこの一族はプロレスのベーシックな部分ですごく高いものを持っているんだけどWWEではどうしても地味に映ってしまうのが残念。エヴァンのダイブとコフィのトラブルインパラダイスで王者組防衛。

肉弾派同士のゴツゴツとしたぶつかり合い。最後はオートンがカウンターRKOでバレットをテーブル葬。というと聞こえはいいが見た目はどう見てもバレットの自爆にしか…。RKOは通常ルールでは恐ろしく使い勝手の良い技だけど今回のような特殊ルールだと微妙かも。でもオートンがテーブル割れる技って基本RKOくらいだからなあ。パワーボムも一応出来るみたいだが。

  • ベス・フェニックスVSケリーケリー

ベスの勝ち。以下略。ナタリア姐さんの反逆マダー?

ラダーで吊り下げたハンマーを取得した場合凶器として使用可、決着自体は通常のスリーカウントルールという随分珍しいルール。セミリタイアしたおっさん同士のもっさりした戦い。なのだが終盤のハンマーを巡る攻防からフィニッシュまでの一連の流れがもう映画か漫画かっていう感じでそれだけでジーンと来てしまう。プロレスを知り尽くした二人によるひとつの芸術。
しかしヒールなのに実況席からモニターをどける時にケーブルに気を使いつつ優しく下に降ろすナッシュさんマジ萌える。

  • ジャック・スワガーVSシェーマス

今年のスワガーのPPV勝率って…。ほぼゼロなんじゃなかろうか。前半はマイケル・コールに付き合わされてたし良く腐らないよなこの人。アンクルロックを決めるもシェーマスが振りほどいてブローグキックで快勝。

  • ビッグショーVSマーク・ヘンリー

三度目の巨漢対決。今回はチェアーマッチということで事実上の決着戦だがかなりあっさり風味。ビッグショーの必殺技を封じようと右手を攻撃するヘンリーだがビッグショーはそれをものともせずKOパンチ一発で沈め世界王座奪取。しかし決着後ヘンリーの襲撃でビッグショーが失神し…。

  • ビッグショーVSダニエル・ブライアン

まさかのブライアンによるMITB権利行使。ビッグショーは気絶したまま試合がはじまりそのままブライアンが勝利して王座を掻っ攫ってしまった。ROH出身で日本にも縁の多い彼の戴冠は嬉しいといえば嬉しいのだけど、この手のとり方をするとヒールターンしそうで心配になる。

ブッカーは随分久々の試合。この人も一度は半引退したはずだけど体はしっかり作っているし動きも良かったと思う。ただ、やっぱりブッカーの良さはヒールじゃないと出ない。シザースキックをことごとく回避したコーディースプリングボード式のスピンキックで勝利。この技は前から良く彼が使っていたムーブで、リング内でロープで飛ぶよりもエニウェア形式の試合で色んなところを足場に出していた。今回ビューティフルディザスターという名前を解説陣が出していたので今後はフィニッシュムーブに昇格するかもしれない。

  • アルベルト・デル・リオVSザ・ミズVSCMパンク

PPVのメインが20分弱って結構珍しいかも。TLC形式の王座戦でかなり激しい乱戦に。しかし一番ハードバンプだったのはデルリオの取り巻きであるリカルド・ロドリゲスだったり…。本職でもないのに毎回殴られたり蹴られたり、今回に至ってはハシゴの上からリング下のテーブルに落下。本当にお疲れ様です。リカルドが一人でかき回していた感もあるけど最後はパンクがミズにGTSを決めてベルトを取り、防衛。パンクはスタミナ無い方なのでこれくらいの時間で高密度な試合の方が良いかもしれない。