ほとんど無害

とりあえず年をはさんで本やらゲームやら音楽やらネタがたまりまくっているのでボチボチ消化予定。まずはこれから。

ほとんど無害 (河出文庫)

ほとんど無害 (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイドシリーズの5作目にしてシリーズ最後の作品。完結編と認めたくないファンも多い作品で作者ももう一本書くつもりだったようですが作者が逝去したため結果的に完結編となりました。
旅を続けるアーサーはあるとき事故でフェンチャーチを失う。自棄になって宇宙を彷徨うが再び事故に遭遇し、墜落した惑星でサンドイッチ職人として安らかな生活を手に入れる。しかしそこに「もう一人の生き残り」であるトリリアンがアーサーの娘と呼ぶ少女ランダムを連れて現れる。一方フォードはガイド社が奇怪に変質しつつあることを知り真実を知るため動き出す。しかし全ては地球を取り巻く大きな陰謀だった…。というのが粗筋。
今回は特に並行宇宙がテーマになっていますが、序盤で作者があっさり説明を放棄しているため余り難しい話にはなっておらず、全体のテンポの良さもありシリーズの中でも読みやすい作品です。最後の結末は究極の予定調和とも言うべきもので、既存作品のファンは呆然とすること間違い無しですがその潔さ故にこの作品をシリーズ最高傑作と呼ぶ人も多いようです。
非常に救いの無い結末ですがシリーズ通して読んで来た人は是非読むべき作品です。