シーズン折り返しへ向けて。コロナ禍での水戸ホーリーホックの戦いと見えてきた序列

バタバタしてブログをサボっている間にJリーグは過酷な8月を越えて折り返しへ。
我らが水戸ホーリーホックはかなり苦しんでいる印象だがその中でも少しずつ自分たちのサッカーを作り上げているように見える。まあ昨日は栃木相手にわりと酷い試合だったのだが…。5連戦→中5日→5連戦というループは例年ならあり得ない超過密日程で、チームの総合力、自分が過去に書いてきた言い方でいえば1試合ではなく1シーズントータルでチームとして走り切る力が重要になる。当然ある程度メンバーのローテーションはせざるを得ないがその中で徐々にチーム内の序列がはっきりしてきたように見える。今回はその辺について書いていきたい。

  • GK

現状はやはり松井がトップだが牲川もちょくちょくターンオーバーで出てくる。セービング能力はそこまで差はないと思っているがコーチングとキックはまだ松井の方に一日の長があるか。牲川もそこまでキックは悪くない(おそらくJ2では中の中だろう)が松井の正確に前のポスト役に当てるキックはやはり魅力だ。

  • DF

ちょくちょくやらかしはあるもののボニが大幅に成長してチームの柱の地位を手に入れた。とにかくファールが少なくなったのは大きい。コーチングについてはまだ細川の方に一日の長はあるがそこは今年で追いつくくらいの気合を見せて欲しい。細川はどうしても年齢的に稼働率が下がってくる中でボニを中心にして相方を考えるというやり方ができるのは大きいだろう。相方は住吉が多かったが特別指定で三國が加入。福岡戦でいきなり大仕事を見せてくれた。特別指定なので当然出られる試合は限られるのだが彼の攻守において高いポテンシャルとサッカー頭の良さを考えると出られる試合では使ってあげたいところ。一方ベンチ入りすら厳しくなっているのが滝澤。安定感の高さはあるのでもう一度奮起を期待したい。ウイングはあまりターンオーバーできない状況で頼みの綱だった外山が負傷してしまった…。重症でないことを祈りたい。右の前嶋・岸田に関しても非常によくやってくれているが特にファーストチョイスの前嶋は勤続疲労が気になるところ。乾は正直まだ攻守において物足りないので頑張ってくれ。

  • MF

ボランチ陣はハードワークのため概ね均等にターンオーバーされている。その中で一度は柱になりかけた平野が負傷離脱してしまったのが痛い。一度は平野に食われていた山田はここがチャンスだろう。現状平野ほど尖った印象を見せられていないので平野なみの配球と現状の守備ができていればファーストチョイスだろう。水戸に来て小さくまとまったとか言われるのは横浜FMのサポにも申し訳ないところだ。サイドハーフについてもある程度均等にターンオーバーされている。ここら辺はある程度誰が出ても同程度に仕事ができるのが水戸の良いところだろう。

  • FW

現状は中山が本当に良い仕事をしており、現状間違いなくファーストチョイスとなっている。単純にポスト役としてではなく相手PA内でボールを受けてそのまま反転して勝負できる強さは今までの水戸ではなかなか見られなかったスタイルで魅力的だ。その相方として高い精度のキックを持つ山口とボール保持能力の高さを持つ奥田がいて上手く使い分けられている印象。中山の交代相手のピットブルも思った以上に強さと技術を持っており頼りになるが後はもうちょっとDFとの駆け引きを上手くやってくれればというところ。

  • 戦術面について

一つシーズン頭から変化があったとすれば3バックを併用ではなくオプションとしてあるよ程度の扱いに変更したことだろうか。今年の秋葉監督はあえて現実主義にならずにいた部分があるがその辺も大分変化してきたように思える。風間名古屋リスペクトのサッカーで得点も失点も多いサッカーというのは名古屋に比べて資金のない水戸がやるにはあまりにもリスキーで、降格のない今年だからできるサッカーである。そういう意味で来年同じサッカーができるかは興味深いところ。後はベンチワークという部分。高木監督のような策士と比べるとどうしても後手に回る部分で監督自身がどう成長していけるかもポイントになるだろう。